マンションのキッチンリフォームは大変ってホント?
リフォームを考えたときに真っ先に手をつけたいのは、キッチンではないでしょうか。リビングと隣接していることが多く、使用環境は過酷な場所でもあります。ただし、マンションでリフォームを考えると制約や条件によっては可能かどうかも変わります。なにが課題になるのか大変なのかをお伝えしましょう。
代表的なキッチンのレイアウトパターンは?
大変だからと手をつけないのではなく、理想を叶えるためにまずはどんなレイアウトがあるのかを見ていきましょう。制約があるともお伝えしていますが、レイアウトによっては可能になることもあるので諦めるのではなく、可能性を知るためにも希望や理想が実現できるかレイアウトを知ることで見ていきましょう。レイアウトや見栄えを考える前にキッチンには大事な要素があります。作業導線があることです。
ワークトライアングルと呼ばれる、水まわり・火まわり・冷蔵庫の3点を線で結ぶとできる三角形が、正三角形に近いほど作業性はよくなるとされています。いくら見た目がよくても作業性が悪ければ、使いにくくなってしまうのでリフォームも台無しになります。三角形の辺の合計が3.6~6.0mの範囲となるように配置するとキッチンの使い勝手は驚くほどよくなるようです。
ここを踏まえてパターンをみていきましょう。形として、独立型・オープン型・セミオープン型があります。一般的に多い形は、オープン型になります。キッチンとリビングの間に仕切りを作らないレイアウトになるので、開放感があるでしょう。残念なのは調理などの作業をしているときは壁のほうを向くことになるので、会話がしにくいことやリビングから丸見えになり、整理整頓が苦手な方は目隠し対策が必要になってくることがあります。
一方、独立型はキッチンの3方向を壁に囲んだ形となります。作業に集中しやすいことや匂いや汚れが室内に広がりにくいことがメリットになりますが、オープン型よりも作業をしているときは孤独な感じになるでしょう。また、3方向を壁にするためにキッチンの面積を広くとる必要があります。
オープン型と独立型のよいところを取り入れたのがセミオープン型といわれています。壁などでリビングとの間を仕切るのではなく、吊り戸棚や開口部のある壁を使い仕切ることで丸見えになることを防ぐと同時に孤独に作業をするのではなく、家族と会話をしながら作業ができる形になるようです。アイランドキッチンといわれるのもセミオープン型を実現するキッチンです。
マンションでキッチンのリフォームをするのは難しい?
レイアウトのパターンを理解してもらったので、マンションでキッチンのリフォームを実現するための注意点を押さえていきましょう。マンションでのリフォームは戸建てと異なり、管理規約や構造的に制約があります。一番に考えておきたいのは、レイアウトを理想の形にしたくても排水管や排気ダクトなど、マンションでは動かせないことがあります。
また、動かせる場合でも費用が50万ほどかかることも注意しておきましょう。調理器具で人気のIHヒーターも設置できないことにも注意が必要です。マンションの場合は各部屋に供給される電気容量が決まっており、IHヒーターを導入するのは最低でも50アンペアは欲しいので、管理組合や管理会社に確認が必要になってきます。
もっとも注意しなくてはいけないのが導入できる電圧です。IHヒーターは200Vの電圧が必要な機器も多いので、新たに電気を引き込むことが可能かも事前に確認しておくことが必要になってきます。
キッチン周りの雰囲気を変えたいからと床を張り替えたいこともありますが、マンションの管理規約で使用できる建材を指定されていることもあるので、好きな材質にできないことも注意点になります。
階下への防音規定があることにも注意が必要です。マンションごとに規約があるため、最新の規約を入手して確認するようにしてください。大きくレイアウトを変えようとすると、キッチンは広くなってもリビングが狭くなることがあります。
機能性で選ぼう!
レイアウトの種類も決まって、実際にリフォームする際の注意点をクリアにしてもキッチンは機能性が求められる場所であることに変わりはありません。とくに水まわりと密接な関係のあるシンクは、素材選びで使い勝手が大きく変わってきます。
ステンレス製・人工大理石製・ホーロー製とそれぞれに異なる特徴があります。
・ステンレス製
耐熱・耐久・耐摩耗などの基本性能が高いとされているようです。
・人工大理石製
高級感があるのが特徴になってきます。また、天板からシンクまでをつなぎ目なく作ることができるので、隙間に汚れが溜まるようなこともなくお手入れが簡単で傷もつきにくい素材になります。
・ホーロー製
海外では一般的ですが、日本ではあまり目にすることがない素材です。金属とガラスの特性を併せもっているので水や湿気、熱に対しても耐久性が高く、スチール製のタワシで擦っても傷が付かない耐久性があります。
他にも蛇口を非接触で給水できるものや、排水に関しても流すだけの排水溝ではなく、配管を流すたびに掃除できるような工夫がされているものもあります。
シンク周りだけではなくキッチンでは電気も使うでしょう。コンセントの位置や形状もレイアウトにあわせて配置したくなるうえ、使い勝手を優先したい設備になります。ゴミ箱も必ず置くことになりますが、そのまま置くのではなくキッチンの下に隠せるようなレイアウトも見た目を優先するなら可能ですが、水気を含んだ生ゴミがでるのがキッチン固有の問題です。使う場所から離れていると床に水が垂れることも考えられるため、設置する場所には注意が必要になってきます。
リフォームをしたいと考えるのは、使い勝手をよくすることや見た目を変えて部屋の雰囲気をかえたいなど理由はいろいろありますが、リフォーム後も住み続けることを考えているからですね。レイアウトや機能性をしっかり考えて取り組んでください。